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2018年4月16日

【Apps調査隊】Google Vault においてのHangouts Chatのサポートについて調査せよ

Apps調査隊の小林です。

Google Vault において Hangouts Chat がサポートされることなり、ダイレクト メッセージやルームの会話保持、記録保持、検索や書き出しを行うことができるようになりました。今回は、これらの設定や手順を紹介致します!

Google Vaultの基本的な使い方は、過去記事「Google Apps Vaultについて調査せよ!実践編」をご参照ください。⇓⇓
http://www.njccloud.jp/blog/9162.html

※特権管理者からVault権限を付与されたユーザーのみ、Vaultを利用できます 9点メニューからVaultを選択してVaultの管理画面に入ります。

   Vaultアイコン

※Vault は G Suite Enterprise、G Suite Business、G Suite for Education の各エディションで対象となります。

※Vault のライセンスを別に購入される場合は、1 ユーザーあたり月額 600 円です。

記録保持(リティゲーション ホールド)と保持ルールの違い

記録保持と保持ルールには、以下の違いがあります。



Hangouts Chat を記録保持の対象にする

  1. 記録保持を適用する案件を作成するか、開きます。

  2. [記録保持を作成] をクリックします。

  3. 記録保持の名前を入力します。固有の名前である必要があります。

  4. 記録保持のタイプとして [Hangouts Chat] を選択します。

  5. 下矢印を使用して、個人のアカウントまたは組織部門全体に記録保持を適用します。

    • アカウントの場合 - 記録保持の対象とするアカウントのメールアドレスを入力します(複数可)。

    • 組織の場合 - プルダウン リストから組織部門を選択します。

  6. (省略可)チャットルームの会話も対象にするには、チェックボックスをオンにします。

  7. [保存] をクリックして記録保持を作成します。

記録保持の作成

ユーザーが削除したメッセージやファイルをVault でデータ保持する設定

ユーザーがメッセージやファイルを削除してゴミ箱を空にしても、Vault でデータを保持するように設定できます。

設定手順
  1. 記録保持が設定されている案件を開きます。

  2. 記録保持をクリックして、[記録保持の編集] をクリックします。

  3. 必要に応じて、次の条件を変更します。

    • アカウント - アカウントや組織部門を追加または削除します。組織部門を対象とした記録保持にアカウントを追加することはできません。また、個々のユーザー アカウントを対象とした記録保持に組織部門を追加することもできません。すべてのユーザーを削除すると、この記録保持を削除するよう求めるメッセージが表示されます。

    • チャットルームの会話も含める - チャットルームの会話を記録保持の対象にするか否かに応じて、この設定を変更します。

  4. [保存] をクリックします。


DMの会話に加えて、ルームに関連付けられた会話も保持も含める場合


チャットルームの会話を記録保持の対象にする場合、チェックをいれます。

  ルームのスレッドも含める

削除したい場合は、一覧にチェックを入れ、選択内容を削除をクリックします。

 

Hangouts Chat の既存の記録保持を変更する方法(参考)https://support.google.com/vault/answer/7657594#start

Hangouts Chat と記録保持に関する注意点

→ユーザーに適用される保留は、そのユーザーが少なくとも1つのメッセージを送信した会話にのみ適用されます。ユーザーがアクティブな参加者でないルーム内の会話は、そのユーザーがメッセージを閲覧している場合でも、保留に含まれません。 保留中のユーザに送信されるダイレクトメッセージ(DM)は、ユーザが応答しなくても保留に含まれます。

→ルーム全体を保留にすることはできません。ハングアウトチャットのルームは個々の組織単位に限定することはできません。つまり、ドメイン内のすべてのユーザーを任意のルームに招待することができます。 Vaultは、保留になっていない部屋の参加者から送信されたメッセージは保持しません。

検索:保持している内容を確認したり、新しく保持したい内容を探し出す

例えば、個人のChat上から完全に削除された「テストメッセージ02」をVault で検索するとします。

設定手順

検索 > 各項目を選択 ・ハングアウトChatを選択

・すべてのデータ/保留のデータをいずれかを選択

・アカウント/組織/部屋を検索のいずれかを選択 >対象のアカウントを入力




部屋の検索結果を含める場合は、ボックスにチェックを入れ、部屋のメンバーを選択し部屋を選択。(複数選択可能)



検索結果が表示されます。


閲覧したいリストをクリック>削除済みの会話を確認できました。


結果をエクスポート:保持している内容を書き出す

前述の検索手順から、検索▼ドロップダウンメニューから「結果をエクスポート」を選択し確定。



Formatを選択

 

「エクスポートを開始」を選択します。

左メニュー「エクスポート」を選択>リスト表示されます


※エクスポートはGoogleの独自形式のデータからオープンな形式に変換してくれるため、少々時間がかかります。また、エクスポートした内容はエクスポートの開始後 15 日経過すると削除されます。エクスポート内容を取得できなくならないよう、取得可能になり次第ダウンロードしてください。 「完了した3件のファイルを表示」をクリックするとダウンロードの準備ができます。


形式(zip xml など)を選択しダウンロードします。


任意の場所に保管します。


監査:保持している内容をCSV形式でダウンロード

保持情報を、CSV形式でダウンロードできます。

設定手順
監査>期間、操作の種類、Vault ユーザーを選択します。


CSV形式でダウンロードを選択 任意の場所に保存 ダウンロードしたCSVから「いつ」「誰が」「どんな情報を」「どうしたか」を確認できます。

→不要になったデータを削除する - 所属組織で一定期間が経過した機密データを削除する必要がある場合は、ユーザー アカウントから該当データを削除するように Vault を設定することができます。

※注意 : 保持ルールの設定に誤りがあると、データが直ちにユーザー アカウントから削除されてしまい、元に戻せなくなることがあります!! 新しい保持ルールを組織全体に適用するときは、事前に少数のユーザー グループでテストしましょう!

アーカイブ保持期間を設定する

保持ルールには、 ①カスタム保持ルール②デフォルトの保持ルールがあります。

「保持ルールや記録保持を管理する」(参考) https://support.google.com/vault/answer/3374023?hl=ja

①カスタム保持ルール

特定の種類のデータを保持する期間を指定できます。

作成できるルールの数に制限はありません。 Hangouts Chat のカスタム保持ルールを設定: 個々の組織部門や、ドメイン内のすべてのチャットルームに対して、カスタム保持ルールを設定できます。
メッセージの送信日や最終更新日に基づいて期限を定義できます。


カスタム保持ルールの設定手順
保持 ルールを作成をクリック
タイプ、entityを選択 組織部門かすべての部屋、期間を選択。


リスト表示されます。

カスタム保持ルールの確認手順

1.左側のナビゲーションで [保持] をクリックして、[カスタム保持ルール] のルールの一覧を確認します。

2.カスタムルールを変更する場合は、編集アイコン 編集 をクリックして変更します。

注: コンテンツは、カスタム保持ルールに加えられた最新の変更に従って保持されます。ユーザーが保持を望んでいるデータが失われる可能性があります。

②デフォルトの保持ルール

組織全体を対象としたルールを設定>デフォルトのルールがデータに適用されるのは、カスタムルールや記録保持(リティゲーション ホールド)が適用されない場合に限定されます。

デフォルトの保持ルール設定手順


編集の鉛筆アイコンをクリック。


保持ルールの設定画面にて、
・Hangouts Chat のデフォルトの保持ルールの設定にチェックを入れて有効にします ・期間を設定します。 −期限なし −期限を設定する場合:(  )days from when the message was sent.:メッセージが送信された時から(  )日保持しますの、( )に任意の日にちを設定します。


適用期間終了後の操作について、
「全てのメッセージは削除されます。ユーザーのルームにあるメッセージとダイレクトメッセージ、および既に削除されたメッセージが含まれます。」

注意: このポリシーを選択後、意図せずユーザーが保管しておきたいメッセージを削除することがあります。 Vaultはユーザーの進行中のデータに直接リンクされており、別にアーカイブされたものではない為、消去されたメッセージを回復できないことがあります。

「保存」をクリックして完了します。

確認ダイアログが表示されます: Keep messages for 90 days from when they were sent. After expiration, expunge all messages including messages that are in users' Direct Messages (DMs) and Rooms, as well as messages that have already been deleted. (送信されてから90日間メッセージを保管してください。有効期限が切れた後、ユーザーのダイレクトメッセージ(DM)とルームにあるメッセージと、すでに削除されたメッセージをすべて削除します。)

チェックボックスにチェックを入れて「確認」をクリックして完了。


保持画面>▼規定の保持ルールに詳細が表示されます。

−注意−

★保持期間は、保持ルールを作成した日付の影響を受けません Hangouts Chat - ユーザーがメッセージを送信した日、または最後に編集した日。ユーザーがメッセージを削除しても保持期間は変わりません。

★次の場合、メッセージやファイルは消去されません。

→「カスタム保持ルールによってデータが保持されている」場合 - データは常に保持期間が最も長いカスタムルールに基づいて保持されます。

→「カスタム保持ルール」は常にデフォルトの保持ルールよりも優先されます(カスタム保持ルールがデフォルトの保持ルールよりも短い場合も同様です)

→データが記録保持(※リティゲーション ホールド)の対象である場合 - 記録保持を削除すると、保持ルールが適用されます。

(※リティゲーション ホールド)とは訴訟ホールド:Litigation Holdを意味し、訴訟や監査、司法調査などの可能性があると判断された段階で、「関連した全ての資料・情報をそのままの状態で安全に保存する」というプロセスの事です。訴訟ホールドは法務部もしくは弁護士がイニシアチブを取って行われますが、電子的に保存されたファイルやメールという証拠に改ざんや消去がされないようにしなければなりません。

「保持ルールの仕組み」 https://support.google.com/vault/answer/2990828