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2019年1月29日

【Apps調査隊】G Suite管理下のChromebookでAndroidアプリを使用する方法について調査せよ。

Apps調査隊の小林です。

G Suite管理下の※Chromebookで、利用者にAndroidアプリを使用させたいケースがあります。

例えば、MS Office系(ExcelやWordなど)を利用したい場合に、Androidアプリの Excel や Word を利用することが可能です。

 従来では、Office365でブラウザ版Excelの利用や、Googleスプレッドシートなどに変換し利用されていたかと思いますが、その 必要がなくなります。 (もちろんOffice365のサブスクリプション登録が必要ではありますが。)

G Suite管理者がAndroidアプリを有効にすると、例えば Chromebookの高速起動から、タスクバーに設定されたExcelアイコンをクリックすることで、すぐに ExcelにアクセスできGoogleドライブにも保存することが可能になります。

 一方で、「利用者にAndroidアプリを使用させたいが、すべてのPlayストアのアプリをインストールさせたくない。 業務に不要なゲームなどのアプリケーションはインストールさせたくない!」という管理者さんもいらっしゃるかと思います。

 もちろん、G Suite管理者は、利用者に対して必要なアプリケーションのみに制限をかけることが可能です。

今回は、
01:G Suite管理者がAndroidアプリを有効にする設定手順
02:利用者側の使用手順
03:注意点

をご紹介致します。

Chromebook端末の管理については、
過去記事:【Apps調査隊】端末管理を簡単に!Chromeの拡張機能:Endpoint Verificationについて調査せよ
をご参考ください。

 01:G Suite管理者がAndroidアプリを有効にする設定手順

まずはじめに、 Chrome 端末で Android を使用する際のオプションとしては、以下の 2 つのパターンが可能です。

A)ユーザーに Play ストア上のすべてのアプリの検索とインストールを許可する。
B)ユーザーに Play ストア上の検索を無効化し、管理者が承認したアプリのみを使用可能とする。

今回は、B)ユーザーに Play ストア上の検索を無効化し、管理者が承認したアプリのみを使用可能とするについて、詳細に紹介致します。

ご参考までに、
A)ユーザーに Play ストア上のすべてのアプリの検索とインストールを許可する 場合には
管理コンソールにて以下の設定を行います。

・管理コンソール(admin.google.com) > 端末管理 > Chrome 管理 > ユーザー管理 > Android アプリ > Chrome 端末上の Android アプリ = [許可]

・ 管理コンソール(admin.google.com) > 端末管理 > Chrome 管理 > ユーザー管理 > Android アプリ > Android アプリへのアクセス = [許可]


B)ユーザーに Play ストア上の検索を無効化し、管理者が承認したアプリのみを使用可能とするの設定手順をご案内致します。管理コンソール(admin.google.com)にログインします。
端末管理 > Android アプリの設定をクリックします。


ドメインでの Android アプリの有効化にて、利用規約を確認します。
「管理コンソールによるAndroidアプリの管理を有効にする」にチェックを入れます。





 次に、 管理コンソール(admin.google.com) > 端末管理 > Chrome管理 > ユーザー設定 > 対象の組織(OU)に移動 > Android アプリの設定にて、以下を指定し、右下の[保存]をクリックして確定します。

この設定で、 ユーザーは 自由に Play ストア 内のアプリを検索することは出来なくなります。

・Chrome 端末上のAndroid アプリ = 許可
・Android アプリへのアクセス = ポリシーの設定なし(デフォルト = 禁止)


続いて、管理者が承認するアプリの設定を行います。

 管理コンソール(admin.google.com) > 端末管理 > Chrome 管理 > アプリの管理 > フィルタ = Android アプリに設定 >(+)ボタンをクリック



 Google Playのアプリ画面に移動します。

 管理者が管理するアプリを検索し、[承認]します。



アプリからの新しい権限リクエストの処理方法を選択します。  

・ユーザーは更新されたアプリをインストールできるかようにするか、アプリが再承認されるまでストアから削除されるように選択できます。


 追加されたアプリのアイコンをクリック > ユーザー設定 をクリック > 対象の組織(OU)に移動 > 「インストールを許可」「自動的にインストール」等の設定を調整します。





02:利用者側の使用手順

A)管理者が利用者に対して、手動でインストールできるように設定した場合。
管理コンソール(admin.google.com)> 端末管理 > Chrome 管理 > アプリの管理 > フィルタ = Android アプリに設定 にて、該当するアプリを選択 > ユーザー設定にて、 「自動的にインストール」を無効にした場合

【管理コンソール画面】


 エンドユーザーが該当のアプリを手動でインストールできます。

利用者はタスクバーに表示されたPlayストアより必要なアプリケーションを選択します。 利用者はタスクバーに表示されたPlayストアより必要なアプリケーションを選択し、インストールします。




利用者は 手動でインストールしたアプリケーションを削除できます。
アイコンを右クリックし「Chrome から削除」で削除します。 https://support.google.com/chromebook/answer/1047367?hl=ja

注)管理者はエンドユーザーが手動で端末にインストールしたアプリを消去できません。 ユーザーが端末上で任意にインストールしたアプリについては、管理者側からは削除は出来ません。 端末上にて個別に削除する必要があります。



B)管理者が自動でアプリをインストールするようにに設定した場合。
管理コンソール(admin.google.com)> 端末管理 > Chrome 管理 > アプリの管理 > フィルタ = Android アプリに設定 にて、該当するアプリを選択 > ユーザー設定にて、 管理者が「自動的にインストール」を有効に設定した場合。


【管理コンソール画面】


タスクバーに設定が有効の場合に、利用者のChromebook上タスクバーにアイコンが表示されているのでクリックをし、開始します。

 注)管理者が強制的にインストールしたアプリは、利用者が削除することは出来ません。  

03:注意点

機種によっては、Google Play(Androidアプリ)対応でないChromebook機種もあります。Google Play(Androidアプリ)対応のChromebook機種は以下の公式サイトをご参考ください。
https://sites.google.com/a/chromium.org/dev/chromium-os/chrome-os-systems-supporting-android-apps

まとめ

以上、G Suite管理下のChromebookでAndroidアプリを使用する方法についてご紹介させていただきました。管理者によってアプリの使用制限ルールを設けた上で、Androidアプリを利用することで、さらにChromebook活用の幅を広げていけたら良いですね。

【補足】


 ※Chromebookについて:
・Google Chrome OS」を搭載しているノートPCです。Chromeブラウザ(とブラウザ上のアプリ)でしか動かないため、CPUやメモリーなどへの負担が少ないため動作が早く(軽く)て電力消費も少ないです。
 バッテリーも約8時間なので、充電しなくともほぼ一日作業できます。

 ・アプリの種類も豊富です。 chromeウェブストアよりインストール可能です。 https://chrome.google.com/webstore?utm_source=chrome-app-launcher

・Chrome OSにはGoogleによるウィルス対策ソフトウェアが内蔵されており、OSも自動で更新されます。
基本的にクラウド上のストレージ(Google Drive)にデータを保存するので、 データを持ち出されるといったリスクが低くなります。

・周辺機器のドライバを自由にインストールできません。Google クラウドプリント対応のプリンターのみChromebookで使用可能です。


2019年1月1日

【Apps調査隊】グループを使用したサービス利用の制御方法について調査せよ

Apps調査隊の小林です。

管理コンソールのサービス管理に関するアップデートが行われ、従来、組織毎でサービスの利用管理に加え、 さらに、グループ毎でもサービスの利用管理を行えるようになりました。

 公式アップデートブログ(原文) https://gsuiteupdates.googleblog.com/2018/12/control-g-suite-apps-using-google-groups.html

目次

1)活用ケース
2)組織とグループについて
3)グループでのサービス管理方法
4)注意点
5)まとめ

1)活用ケース

次のようなケースでの活用が考えられます。

・一定期間、一時的にあるユーザーに対してサービスを有効化したいとき
組織移動が起こるかもしれない、研修中ユーザーに対して、研修中の時だけ、 ChatやFormが利用できるようにする。時期がきたら、サービスを無効化する。

・プロジェクトチームにのみサービスを有効可
ユーザーに対してのみサービスを有効化したいときに活用できそうです。 リモートメンバーで、あるプロジェクトが進行中の時のみドライブを利用できる

・特定の技術によって
[本社]組織 >[技術]組織、[開発]組織内ユーザーで、ある一定の技術レベルのユーザーだけが所属するグループを作成し、必要なサービスを有効化する

・大きい組織内で異なる企業がある場合[関東地区の〇〇店]組織内ユーザーと [関西地区の〇〇店]組織内ユーザーの管理者が所属する [管理グループ]を作成し、サービスを有効化


 2)組織とグループについて

G Suiteを導入したばかりの管理者様は、まず[G Suite を使い始める際の基本事項]に目を通して頂き、各項目を参考頂ければと存じます。

「組織」に関しましては、[組織の追加]をご参考ください 。

「グループ」に関しましては、[グループを作成し、グループ設定を選択する]をご参考ください。

 3)グループでのサービス管理方法

 従来より、 管理者は Google 管理コンソールで、[組織部門]による Google サービス(アプリなど)へのアクセスの 有効・無効を設定できました。
今回、新たに[グループ]によるアクセスの有効・無効の設定が可能になりました。

例えば、組織部門でChatが無効になっていても、無効組織内のあるユーザーだけをのグループを作成し、そのグループ を対象に、Chatを有効化することで、無効組織所属ユーザーであっても、グループ内のユーザーはChatを利用できるようになります。


【手順について】
1)組織メンバーを確認します。例)02リモートという組織にユーザーAとBが所属しています。


2)組織毎でのアプリ有効・無効設定の確認をします。 02リモートの組織では、ChatとJamboardがオフ(無効)になっています。


 3)新しいグループを作成します。例)Chatを利用できるグループ:Chat Groupを作成。


4)02リモートでChatを利用を許可するユーザーを追加します。例)グループ:Chat Groupに組織で無効になっているユーザーを追加。



5)グループを検索するか、グループ検索欄のグループを選択します。 (本機能は、例えば Gmail がある OU に対して無効になっている状態で、OU 内の特定のユーザーにだけ、 Gmail へのアクセスを許可したい場合などに用いられるため、 特定のサービスがオフになっている OU が存在する場合に、OU内に存在する特定のユーザーが所属するグループのみが検索に表示されます。)


 6)グループを選択し、有効にするアプリにマウスオーバーすると、[オンにする]が表示されます。ページ上部にどのグループを選択しているのか表示されます。 例)〇〇でアプリのステータスを表示しています。


 7)アプリのステータスが[オン]になります。


 詳細は、 GSuite管理者ヘルプ:グループを使用して G Suite などの Google サービスの利用を制御するをご参考くださいませ。


 4)注意点

 ・適用条件は、「組織の設定 or グループごとでの設定」なので。サービスへのユーザー アクセスが組織で有効になっている場合、グループを使用してこれを無効にすることはできません。

 ・グループを使用して、Marketplace アプリや SAML アプリへのアクセスを有効にすることはできません。

・グループ内のユーザーに対してサービスをオンにします。常に組織の設定よりも優先されます。

・サービスの設定(共有オプションなど)は各グループ メンバーはそれぞれの組織のサービス設定を使用しなければいけません。

 ・グループ内のグループはサービスにアクセスできます。設定を継承します。

 ・アクセス グループの設定が反映されるまでに、最長で 24 時間ほどかかる場合があります

・グループのサービス有効化を終了(削除)する場合には、アプリの無効化を先に行ってから、グループを削除する必要があります。

1)アプリを有効化したまま、グループを削除
2)削除したグループに所属していたユーザーで、ブラウザ再読込みと、ログアウトしログインし直しました
3)削除したグループに所属していたユーザーが当該アプリを利用できるか確認したところ
4)利用ができてしまいました。

 Google 社に確認を行ったところ、 Google 社の環境にて、同事象を再現されたため、プロダクトエンジニアが現在(2018年12月20日現在)調査を行ってるとの事です。 現状、グループを削除する前にグループのサービス設定を解除する必要があるとの事です。注意が必要ですね。


 5)まとめ

 今回のアップデートによってサービスの有効可をより柔軟に細かくおこなえるようになりました。 1)活用例にございますように、状況に応じて活用していきたいですね。