先月、チームドライブの機能に「保護機能と管理機能」が追加されました。
公式アップデートブログより(2018年6月13日)
https://gsuiteupdates-ja.googleblog.com/2018/06/blog-post_13.html
今回は《基本編》として、チームドライブの特徴やマイドライブとの相違点なども含め、新機能の概要を紹介を致します!
目次
1)チームドライブとは2)チームドライブとマイドライブの違い
3)孤立問題をチームドライブで解決
4)ファイルサーバーをチームドライブに移行する際の注意
5)保護機能と管理機能
1)チームドライブとは
・チームドライブは、同じプロジェクトのチームメンバー同士で共有するファイルを保存するためのスペースです。
・チームドライブ内のファイルは個人ではなくチームに属します。・チームドライブごとに管理者がフルコントロールできます。
・G Suite Enterprise、G Suite Business、 G Suite for Educationで、チームドライブを利用できます。
例)支店毎などでチーム作成し、それぞれのフォルダやファイルを管理できます。
・詳細は以下ラーニングセンターをご参照ください。
https://gsuite.google.jp/learning-center/products/drive/get-started-team-drive/#!/
・チームドライブの管理:Vault for Driveを利用できます。容量、期間なしにアーカイブを永遠に保持できるので、ファイルサーバーのバックアップが不要になります。またユーザーが消したファイルも管理者側で、閲覧や復元が可能です。
・チームドライブの管理:Vault for Driveで、企業のポリシーにあった管理が可能になります。チームドライブにあげるだけで、管理者側で操作できるようになり、個別に消去する必要がなくなります。
例)特定のチームドライブのファイルを3ヶ月ごとに消去することも可能です
2)チームドライブとマイドライブの違い
◆ファイル、フォルダの所属先
マイドライブ:ファイル・フォルダは「ユーザーアカウント」に紐づき、「個人ドライブ」に属します。ファイルやフォルダの作成者が「オーナー」として所有します。
チームドライブ:チームのファイルやフォルダは「共有サーバー」に属します。チームドライブ内のファイルやフォルダは「チーム、部署、会社」が所有します。
◆共有権限について
マイドライブ:
・ファイル作成者がオーナーになります
・オーナーのドライブ容量を消費します
・共有された他ユーザのドライブ容量は消費しません
・オーナー自身しか、別ユーザーにオーナー権を譲渡できません(同一ドメイン内のユーザにのみ可能)
・オーナーのGoogleアカウントを削除すると、ファイルは消滅します
・ファイル、フォルダに対して共有権限・保護をかける事ができます
チームドライブ:
・チームドライブの作成者問わず、チームドライブ自体がオーナーになります
・チームドライブのメンバーは、全てのファイルとフォルダの所有権を共有します
・組織全体のドライブ容量を消費します(チームドライはBusiness以上(5名以上で容量無制限)から利用できるので、容量の心配ないかと思います。)
・各ユーザのドライブ容量は消費されません
・チームドライブのメンバーに対して共有権限をかけることができます
・ファイル対して共有権限をかけることができます
・フォルダに対しては共有権限かけられません。
3)孤立問題をチームドライブで解決!
チームドライブ内のファイルは全てチームドライブが所有するため、ファイル作成者のGoogleアカウントを削除しても、ファイル作成者がチームドライブに保存したファイルはすべて残ります。また、チームドライブなら、ファイルの移動をユーザーに対して制限できるので、ファイルを予期しない場所に移動してしまうというような事も起こりません。
例えば以下のような事態を防ぐことができます。
・マイドライブで複数とフォルダー/ファイルを共有中、うっかりファイル/フォルダーを移動させてしまい、他の共有ユーザーからはファイルが見えなくなってしまった。
・G Suiteを利用している組織のユーザーが辞めることになった際に、譲渡をせずにアカウントを削除し、共有していたファイルやGASなどが使用できなくなった。
・孤立問題については、「Apps調査隊の2017年6月の記事:Google ドライブでの孤立状態について調査せよー実践編ー」ご参照ください。
http://www.njccloud.jp/blog/12759.html
4)ファイルサーバをチームドライブへ移行する際の注意
ファイルサーバをチームドライブへ移行したいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。一般的なファイルサーバ感覚で運用を変えずそのまま移行するのは難しいですが、チームドライブを理解した上で、運用を工夫すれば代替は可能かと思われます。そこで、移行の際の注意点を紹介いたします。◆ファイルサーバとの違い
1)チームドライブは、ブラウザ(Chrome)上で操作する「クラウドストレージ」です。
2)Google ドライブ(チームドライブを含む)はブラウザ上での、排他制御になります。例えば、Googleドライブのドキュメント形式以外の場合に、後から編集しアップロ−ドされたバージョンが最新版として保存されます。
3)上記に加えGoogleチームドライブで共同編集を永続的に行うのであれば、同時編集と保存が可能なGoogleドライブのドキュメント形式に移行した上で行うことが推奨されます。
Windows やMacユーザーは、*GoogleFileStreamをインストールし、チームドライブのファイルを操作することも可能です。
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*GoogleFileStreamは、G Suiteアカウントで利用できるアプリです。
・ファイルを開く際に、オンデマンドでダウンロードします。
・指定フォルダのみオフライン用に同期可能です。
・マイドライブおよびチームドライブにアクセスできます。
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◆ファイル、フォルダ管理について
ファイルサーバーではフォルダ毎にアクセス権を設定できます。
チームドライブは
①チーム全体に対してのユーザーの共有設定ができます。
②フォルダに対しては共有の設定はできません。
③内部のファイル1個ずつに対してユーザーの共有設定ができます
例①)「OP部」というチームドライブ全体に対しての各ユーザーの共有設定を行えます。
例②)チームドライブ「OP部」>フォルダ「日報4月」は共有できません
例③)チームドライブ「Team A 共有」>フォルダ「4月日報」>ファイル「日報20180425」は共有できます
新規に追加(共有)したユーザーDに対して共有権限の設定も可能です
◆ユーザーに対する共有権限について
チームドライブのユーザーに付与できる権限は以下の4種類になります。
・すべての権限(デフォルト):メンバーの管理、すべてのファイルのアップロー ド、編集、削除
・編集権限:すべてのファイルの編集と、新しいファイルのアップロードを行えます
・コメント権限:すべてのファイルにコメントできます
・閲覧権限:すべてのファイルを表示できます
※「編集権限」以下ではファイルの削除や移動ができません!
※ドライブ ファイル ストリーム経由でアクセスしている場合、「編集権限」では閲覧しかできません!
※共有フォルダ代わりに利用したい場合は、メンバーに「すべて」権限を与えるしかありません
◆チームドライブへの保存ファイル数について
・1チームドライブにつき40万アイテム(ファイル)、フォルダ20階層までです。
・利用しているファイルサーバーの共有フォルダのファイルが1000万ファイルなどの場合、チームドライブ移設時には、分割が必須です。
・「チームドライブ」という名称ですが、チーム毎というよりは、より細かい「プロジェクト」などの単位で分割するのが現実的かと思います。
例えば、「OP部」というチームドライブよりは「OP部-プロジェクトA」や「OP部-社外秘」等のプロジェクト単位でのチームドライブを作ると権限設定が管理しやすくなります。
◆チームドライブのメンバーについて
・チームドライブのメンバーは、個人ユーザー単位でも、 Google グループ単位でも追加できます。
・このグループを、アクティブディレクトリのセキュリティグループと連動し、セキュリティグループで行っていた権限設定をそのまま応用することも可能になります。
※メンバーとして直接追加できる個人やグループの上限は600メンバーです。
(グループと個人がともに 1 メンバーとしてカウントされます。)
以下、詳細になります。
https://support.google.com/a/answer/7338880?hl=ja
5)保護機能と管理機能
・管理者は、各チームドライブに対しての保護・共有設定を行えます。(各チームドライブのユーザーに対する共有権限とは別の設定です)・以下のチームドライブに対する共有設定です。
- ドメイン外のユーザーと共有の可否
- チームドライブのメンバーではないユーザーと共有の可否
- コメントまたは閲覧権限を所有するユーザーのダウンロード、コピー、印刷の可否
* これらの設定を変更するユーザーは
(1)チームドライブと同じドメインに属し、
(2)チームドライブに対してすべての権限を持つ必要があります
・チーム内で全ての権限をもつユーザーであっても、共有や権限設定などの操作が行えなくなるようにG Suite管理者が設定することができます。チームドライブ単位、もしくはG Suite の組織単位で設定ができます。
例)所属する組織部門で外部ユーザーとの共有が無効になっていても、最上位の組織で許可されていれば、チームドライブ内のドキュメントを社外のユーザーと共有できます。
・チームドライブ単位で設定された共有設定は、組織単位の設定よりも優先されます。
例)「組織単位」でチームドライブ外のユーザーがチームドライブ内のファイルにアクセスできるように設定していても、「チームドライブ」の共有設定で、これがアクセス無効である場合、「チームドライブ」の共有設定が優先され、チームドライブ外のユーザーが、チームドライブ内のファイルにアクセスできなくなります。
共有・保護設定の手順は以下ヘルプ記事をご参照ください。
https://support.google.com/a/answer/7662202?hl=ja
次回は、《実践編》として、チームドライブとチームドライブの新機能をどのように活用できるか、具体的にご紹介いたします!